映画コラム

クリストファーノーラン監督が手がけた映画『TENET テネット』の回転扉とは

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『TENET テネット』の回転扉のルール

  1. 検証窓から逆行(順行)する自分自身を確認しながら、入室しないといけません。もし自分の姿が確認できずに入ってしまうと、回転扉から出られなくなります。
  2. 逆行する世界では、酸素ボンベが必要です。(外気を肺に取り込められないため)
  3. 逆行する世界に行った際、もう一人存在する自分と直に接触してはいけません。
  4. 逆行する世界では高温のものが冷たく、低温のものは熱くなります。

『TENET テネット』には時間の逆行を可能にした「回転扉」が登場します。

他の映画でよく見られるタイムリープとは、ルールが少し異なります。

『TENET テネット』のタイムリープでは過去に戻った人物以外のモノや人間は、みな逆再生する現象が起こります。

『TENET テネット』のタイムリープ

『TENET テネット』のタイムリープは、時間軸A→Bへとジャンプしません。

実際に時間をさかのぼっていくことで、過去へ戻っていくしかないのです。

そのため、例えば1日前に戻るには、1日分逆行し続けなければなりません。

もし1ヶ月前なら1ヶ月もの間、逆行する必要があります。

目的の時間になった際、再び回転扉に入らなければ「逆行」から「順行」に戻れません。

「回転扉」の赤は順行、青は逆行

  • 赤→順行
  • 青→逆行

「回転扉」を使用する時に使うフリーポートの向かい合った部屋では、それぞれ「赤」・「青」で配色が分けられています。

  • 赤側の部屋から回転扉に入れば、「逆行」になります。
  • 青側の部屋から回転扉に入ると、「順行」に戻ります。

検証窓の役割

赤のスペースと青のスペースは、ガラス(検証窓)で仕切られています。

そのため、反対側の部屋の様子がよく見えます。

映画『TENET テネット』内では赤と青の違いから、主人公が今を生きているのか、もしくは過去に戻っているのかが視認できます。

また逆行する際には呼吸ができないため、酸素ボンベが必須です。

そのため器具の有無からでも、「順行」か「逆行」どちらの世界を生きているのかが分かります。

『TENET テネット』と物理学

時間とは「過去から未来」に向かって一方向に流れていくものです。

もし時間を逆行させたとしても、物理法則は変わりません。

ただし、この法則には「エントロピー」と呼ばれる例外があります。

クリストファー・ノーラン監督は実際に「物理学」を軸にして、映画のストーリーを作り上げています。

映画『インターステラー』で製作総指揮だった物理学者のキップ・ソーンが、『TENET テネット』でもスタッフとして参加しています。

回転扉のカギはエントロピー

『TENET テネット』の回転扉は通常は増えるはずの「エントロピー」を減少させることで、時間の「順行」・「逆行」を入れ替える機能を持ちます。

この回転扉の複雑な仕組みゆえに、第三者の視点には「歪み」が生じていきます。

外から見ている第三者からの目線では、同じ時間に同一人物がいきなり消滅したり、全く同じ外見の二人が突然現れたりするように、見えるのです。

映画『TENET テネット』がエントロピーを活用したシーン

映画『TENET テネット』の飛行場のフリーポートのシーンで、エントロピー現象が活用されています。

  1. ドアから、いきなり「2人の謎の男」が現れる
  2. 逆行している男は、名もなき男と戦う
  3. 一方でもう一人の順行している男は、ニールと戦う

このように名もなき男とニールが、実際にエントロピー現象を体験しています。

後に、この謎の人物が実は2人とも未来からやって来た「名もなき男」だと分かります。

『TENET テネット』の兵器とエントロピー

「マクガフィン(アルゴリズム)を奪い合う物語」

『TENET テネット』のストーリーをシンプルに要約すると、以上のようになります。

ちなみに映画冒頭であったオペラハウスのテロシーンでも、未来人が作った「マクガフィン」(アルゴリズム)であるパーツの一つが、登場していました。

マクガフィンは、「エントロピーを自由に操れる」兵器です。

マクガフィンは9つのパーツに分けられている

マクガフィンはパワーがあり危険なため、9つのパーツに分けて封印されてあります。

この9つのパーツをつなぎ合わせてマクガフィンを完成させると、すべての時間が「逆行」を開始するのです。

鍵を握る人物・セイター

実は、セイターは現在と未来をつなぐエージェントでした。

セイターは表向きは、ロシアの武器商人です。

地図にない街「スタルスク12」の出身のセイターは、核施設の跡地でプルトニウムを命をかけて探していました。

その最中に、未来人からの「アルゴリズム」収集依頼と契約書を発見するのです。

マクガフィンのパーツ

結局、セイターは長い時間をかけて、「マクガフィン」のパーツを9個中8個まで集めていました。

ダンディーな
おじさん

残りの1つは、どこにあるんだい?

A.冒頭のオペラハウスのシーンに登場していたあのパーツです。

このように、映画『TENET テネット』は一度観ただけでは分からないギミックが、数多く仕掛けられています。

まとめ

映画『TENET テネット』の1番のカギである「回転扉」について解説しました。

『TENET テネット』を理解するには「回転扉」の仕組みの理解が重要です。

ぜひ、本記事を参考にしてみて下さい。

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『TENET テネット』の記事はこちら▼
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映画大好きライターの「とけい」です。