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映画『劇場』のラスト「ごめんね」の真相に迫る【原作とは異なるラスト】

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『劇場』のラストシーン【共通】

  1. 沙希は荷物をまとめるために、東京へやって来ます。
  2. 部屋にいた永田。過去に、沙希が出演した舞台の台本を持っています。
  3. セリフの読み合わせをする永田と沙希。
  4. アドリブをする永田。
  5. 沙希に対する想いを、セリフに乗せます。

迷惑ばかりをかけ、沙希に辛い思いをさせてしまった後悔。

その原因は、何より自分に才能がないからという反省。

それから永田は、沙希との夢物語をポツポツともらしていきます。

永田の願い

  • 演劇で、成功
  • お金を稼ぐ
  • 沙希が元気になって、美味しいものを食べに行く

最後に、お面をかぶった永田は「ばああああ」と言います。

何度も何度も、繰り返します。

このあとの展開が、小説「劇場」と映画で異なります。

小説のラストシーン

上記のやりとりの後、小説『劇場』のラストシーンでは、余韻がたっぷり含まれた文章で、この物語に終止符を打っています。

「沙希は観念したように、泣きながら笑った」

小説「劇場」より

では映画『劇場』のラストシーンには、どのようなアレンジが入ったのでしょうか?

映画『劇場』のラストシーン

映画『劇場』のラストシーンは「屋台崩し」という手法が使われました。

沙希の部屋でのやり取りは、実は舞台上で行われていたのです。

その種明かしが屋台崩しによって、分かります。

つまり永田は「沙希とのこれまで」を舞台にしていて、同じ場面を演じていたのです。

舞台上では、家でのやり取りのシーンをしています。

客席には、もうひとりの沙希がいました。

満員のお客さんの中で、沙希は部屋でのやり取りのシーンをじっと観ています。

映画『劇場』のラストは「ごめんね」

「ごめんね」

沙希は舞台を観ながら、涙をスーッと流しました。

そして、何度も「ごめんね」と呟きます。

場内は沙希の心を映すかのように一度、暗くなりました。

明転の後、永田は?

明転の後、お面をかぶった永田は「ばああああ」と言い続けています。

こうして舞台は、終わりました。

他のお客さんが帰っても、沙希は最後までずっと座ったままです。

映画『劇場』のラスト「ごめんね」を考察

  1. 永田は「沙希との物語」を舞台化した
  2. それで劇団は成功した
  3. その舞台を、沙希が青森からやってきて観ている

劇団が成功した根拠として、沙希以外にもたくさんのお客さんがいます。

客は満員であり、舞台が終わると多くの拍手がある。

また、沙希が涙を流して「ごめんね」と発言。あれは、永田と一緒に生きられなかった想いからこぼれ出た言葉ではないか、と個人的には考えています。

まとめ

映画『劇場』は、原作小説とは異なるラストシーンがあります。

しかし基本的には、原作に忠実です。

ラストシーンでは、映画だからこそ活きる素晴らしいアレンジ「屋台崩し」が味わえます。

また『劇場』はラブストーリーですが、性描写がありません。

だからこそ、二人の心のつながりを強く感じられるのです。

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