「伏線」は映画だけでなく、ストーリーを作る上で重要な要素です。
一般的に「伏線」は、ストーリーの筋や内容をほのめかすようなニュアンスで使われています。
しかし、本来の「伏線」の読み方や意味をご存じでしょうか?
本記事では「伏線」の正しい読み方や意味を紹介していきます。
- 「伏線」のよくある読み間違いや正しい意味
- 「伏線を張る」とは
それでは、伏線の読み方から見ていきましょう!
伏線の読み方
伏線の読み方は、「ふくせん」が正解です。
「伏線」の「伏」のみでは、「ふ」せるや「ふ」すと読みます。
しかし「伏線」のケースでは、音読みの「ふく」が採用されて、「ふくせん」となります。
よくある読み間違いとして「伏線」を「ふせん」と読む方がいます。
しかし実際は、「ふせん」ではありませんので、注意しましょう。
「伏線」の成り立ち
- 「伏」は「身体を低く保ち、うつむきになる」や「物の下に潜む・隠れる」などの意味
- 「線」は「話の筋」や「道筋」などの意味
英語で表記すると、「伏線」は「foreshadowing」です。
それでは次に、「伏線」の意味を見ていきましょう。
伏線の意味とは?
伏線(ふくせん)
小説・戯曲などで、のちの展開に必要な事柄をそれとなく呈示しておくこと。
のちの物事の準備として、前もってひそかに設けておくこと。
【出典:三省堂「大辞林」第三版】
また「伏線」の意味は、映画などのストーリーにおいて大きく2つに分けられます。
- ぼんやりと、それとなく展開を呈示すること
- 将来に向けて事前に準備しておくこと
これから起こるイベントに対して、あらかじめ「伏線を張っておく」ことでクライマックスシーンで観客に興奮と快感を与えるのです。
「伏線を張る」の意味とは
「伏線を張る」の意味は、「物語などで、のちの展開のために事前にそれに関連する物事を示しておくこと」です。
また「伏線を張る」の類語は、以下のパターンが存在します。
- 「暗示する」
- 「伏線を敷く」
- 「仄めかす」
- 「示唆する」
- 「伏線を設ける」
- 「布石を敷く」など
「伏線」と「布石」の違い
「布石」は囲碁用語であり、「要所に石を配置する」意味を持ちます。
それでは「伏線」と「布石」の違いは、どのようなものでしょうか?
実は「伏線」・「布石」ともに意味は、ほぼ同じであります。
- 「伏線」は映画などのストーリー
- 「布石」はビジネス戦略
以上のように、使用されるジャンルが異なっているだけで、意味はほぼ同じです。
映画における「伏線を回収する」とは
では、「伏線」を張った後に、回収するとどのような効果が見込めるのでしょうか?
映画を例に見ていきましょう。
- 「隠す」伏線
- 「見せる」伏線
映画の場合、最初から最後まで観客にヒントを与えない「隠す」伏線とそれとなくアイテムや人物の動きで観客にヒントを与える「見せる」伏線があります。
どちらのパターンでもやり過ぎは、NGです。
映画の「伏線」はストーリーのメリハリに関して、重要な役割を果たしています。
伏線は、「ストーリーを盛り上がらせる」ための準備段階にあたるからです。
そして、この「隠す」伏線と「見せる」伏線の両方を扱っている作品に、映画『アフタースクール』があります。
伏線の回収を見事に活用した傑作といえるでしょう。
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まとめ
映画において、伏線とは「あとで明らかにされる真実のために、あらかじめほのめかしておく話の筋」であり、ストーリーを盛り上げていく大事な材料です。
映画に対して、ストーリーの続きを「観たい」という欲求をさらに刺激するのが「伏線」であり、更には映画を盛り上げるエッセンスとして「伏線」が機能するのです。
そんな伏線がバッチリと決まり、どんでん返し映画の傑作となった邦画をまとめた記事を作ってみました。