ハリウッド映画の情報を観ていると、よく聞く言葉に「カメオ出演」があります。
日本では、あまり馴染みのない言葉です。
そこで本記事では、カメオ出演についての意味を中心に解説していきます。
- カメオ出演の意味は?
- カメオ出演がある映画作品やその歴史
それでは、カメオ出演の意味から見ていきましょう!
カメオ出演とは
カメオ出演(cameo appearance/cameo role)は、俳優や監督・原作者または、スポーツ選手などのゲストが短い時間に限定して出演することです。
作品の対象は、映画だけではありません。
ドラマやアニメ、舞台などにもカメオ出演があります。
カメオ出演の由来
カメオ出演は、工芸品・宝飾品のひとつであるカメオが由来です。
カメオは人物などの装飾があり、大きく華やかな特徴があります。
カメオは遠くからでも判別できる点から「目を引く著名人が出演する手法」の呼び名としてカメオ出演の名が定着していきました。
英語のcameoの意味
英語のcameoには、名場面や山場の意味があります。
そのため、ハリウッド映画や韓国ドラマなどで、たびたび見受けられる出演形式です。
有名なキャストが登場することも多いことから、映画ファンにはサプライズ感覚で楽しまれています。
カメオ出演の歴史
カメオ出演のはじまりは、バレエ『本日休演』の幕間に上演された無声映画『幕間』(1924)です。
『幕間』ではフランスの作曲家エリック・サティが、友人たちと出演していました。
その後映画『八十日間世界一周』(1956)で、フランク・シナトラがカメオ出演しています。
この作品がきっかけとなり、「カメオ出演」という言葉が使用されるようになりました。
邦画でカメオ出演と呼ばない理由
日本では「カメオ出演」という表現はあまり使われません。
しかし、カメオ出演のように著名人が出演する作品がないわけでなく、むしろ多く存在しています。
たとえば、日本で1番有名な作家といっても過言でない東野圭吾は、映画『g@me.』や『秘密』といった自身が執筆した作品にカメオ出演を果たしています。
また映画『ピンクとグレー』では、原作者の加藤シゲアキがカメオ出演して話題になりました。
日本の場合、「特別出演」または「友情出演」の形で紹介されることが多く、カメオ出演という表現は、あまり採用されていないのでしょう。
友情出演とは
友情出演とは、「監督やプロデューサー、出演俳優と親交の深い友人」が出演することです。
友情を通じての出演であるため、基本的にギャラはノーギャラ、もしく低価格で出演しています。
特別出演とは
特別出演は、「大物俳優に脇役として出演依頼」をする際に用いられます。
通常、大物俳優には出演シーンを多くしたり、配役を主役級にしたりと配慮されます。
ただし、作品の都合上1シーンのみの出番となる場合もあり得ます。
そういった場合に特別出演の形式で依頼を行い、スタッフロールでも最後にクレジット付きで紹介するのです。
特別出演は通常と同じくギャラが発生するので、友情出演と特別出演の違いはギャラの有無で区別してもいいでしょう。
有名なカメオ出演がある映画作品は?
カメオ出演で有名な作品に、マーベルシリーズがあります。
『アイアンマン』・『スパイダーマン』など数々のアメコミヒーローを生み出してきた漫画原作者のスタン・リーはカメオ出演しまくりです。
また『アイアンマン』の映画監督を担当したジョン・ファヴローが出演した映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』には、ロバート・ダウニー・Jrの姿があります。
>>こちらも読みたい:アイアンマンの監督でもあるジョン・ファヴローが主演の『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』とは?
ピクサー作品ではキャラクターがカメオ出演
2010年に公開された『トイ・ストーリー3』の中で、「トトロ」が出演したことが大きな話題を呼びました。
宮崎駿監督の了承を経て、トトロのカメオ出演が決まっています。
ピクサーとジブリの関係性の深さから実現した話です。
実在する人物ではなく、過去のピクサー作品や他のアニメのキャラクターがカメオ出演するというユニークな形を、ピクサー作品は採用しています。
まとめ
有名人がカメオ出演に至る理由は、さまざまです。
ただ「視聴者を楽しませたい」という制作側の気持ちは共通しています。
映画ファンをワクワクさせてくれる一因となっています。
ぜひ、カメオ出演のある作品を探してみましょう。
映画の新たな面白さを見つける一つの手段になるはずです。