映画『太秦ライムライト』で「斬られるために生きる男」主人公・香美山を演じた役者は、日本一の斬られ役の福本清三でした。
映画『太秦ライムライト』は、海外の評価も非常に高い作品です。
そこで本記事では、『太秦ライムライト』を観た海外の反応やロケ地について紹介していきます。
- 映画『太秦ライムライト』を観た海外の反応は?
- 『太秦ライムライト』のロケ地を紹介
それでは、映画『太秦ライムライト』のあらすじから見ていきましょう!
『太秦ライムライト』のあらすじ
『太秦ライムライト』は京都の太秦が、舞台です。
太秦の日映撮影所に所属する香美山清一は、斬られ役ひと筋でしたが、徐々に仕事が減っていきます。
ある日、新人女優のさつきと出会った香美山は、かつての大女優と似た雰囲気を感じます。そこで、殺陣の稽古をつける決断をします。
さつきはチャンスを掴み、東京でスター女優になりました。
時が経ち、時代劇の主演を得たさつきは、すでに引退した香美山との共演を熱望するのですが……?
作品名 | 太秦ライムライト |
---|---|
主役 | 福本清三 |
公開日 | 2014/7/12 |
上映時間 | 104分 |
ラスト | 美しい散りざまに感動 |
75/100点
『太秦ライムライト』に松方弘樹
「福本さんが主演するなら」と福本さんを何度も斬ってきた松方弘樹さんは『太秦ライムライト』の出演を快諾しています。
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*売上げの10%は、太秦の時代劇製作のために寄付されます。 pic.twitter.com/GDmHUukwDn— 太秦ライムライト公式 (@uzumasa_LL) December 19, 2014
また『太秦ライムライト』の脇を固めているのは、京都・太秦がゆかりのスター・松方弘樹だけではありません。
小林稔侍や萬田久子など有名俳優が、『太秦ライムライト』にそろいました。
加えて、京都の次代を担う若手俳優たちも、総出演しています。
松方弘樹さんは、『太秦ライムライト』ではセリフを一字一句変えていません。
しかし、1カ所だけ「映画」を「シャシン」と言い換えています。
「シャシン」と読む最後の世代を目の当たりにし、『太秦ライムライト』の関係者たちは心打たれたといいます。
『太秦ライムライト』を観た海外の反応は?
福本さんが初めて主演した映画『太秦ライムライト』がカナダのファンタジア映画祭で、最優秀作品賞となるシュバル・ノワール賞を受賞しました。
さらに福本さんも、最優秀主演男優賞を受賞しています。
また、英ガーディアン紙は「福本さんの演技中の斬られる時の姿勢が『えびぞり』と名付けられ、有名である」と紹介されています。
- 背中を弓のようにしならせる
- 体をねじり、身もだえる
- 死ぬ直前には顔がテレビカメラのほうを向く
福本清三が演じる独特な斬られ姿は、まさに一級品です。
『太秦ライムライト』のロケ地
『太秦ライムライト』のロケ地は、太秦近辺と撮影所がほとんどでした。
そのなかでも、嵐電の帷子ノ辻(かたびらのつじ)駅では、名シーンがあります。
- 時代劇の減った京都で仕事がなくなった若い俳優が、福本演じる老俳優に熱い想いをぶつけるシーン
東映の撮影所の近くに嵐電の新駅ができてたけど、「太秦ライムライト」で撮影所帰りの若手の役者が老役者に時代劇衰退への苛立ちをぶつけてしまうシーン、あれは舞台が古びた帷子ノ辻駅やからこそぐっと来んねんなあ。最寄駅になったここでは流石に… pic.twitter.com/4gn2dUOsY1
— 大野長秋1946_6_21🐶🍠🐾 (@garekioono) April 3, 2016
嵐電は撮影のために、駅構内で10回もレトロ車両を無料で動かしてくれたそうです。
さすが、時代劇の産地です。
ただし『太秦ライムライト』のロケ地には、京都以外の場所もあったのです。
『太秦ライムライト』には淡路島がロケ地のシーンも
1月1日午前4:52〜6:37BSプレミアム放送の映画『太秦ライムライト』は写真のシーンが淡路島の棚田で撮影されております。その縁で島の映画やさんとして洲本オリオンに企画を持ち込みして、無料上映会を行った思い出の映画でもあります。年明け1発目の映画体験にぜひご覧ください! pic.twitter.com/k3hllNRiEQ
— 島の映画やさん (@awajicinema) December 31, 2017
『太秦ライムライト』のロケ地には、淡路島の棚田も活用されていました。
斬られ役を引退していた香美山清一が、隠居していた地であります。
美しい夕陽を全身に浴びながら、剣を交える二人の姿は、「美しい」の一言に尽きます。
日本一の斬られ役・福本清三のキャリア
福本清三は1943年、兵庫県生まれです。
15歳で、東映京都撮影所へ入所しています。
ドラマ『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』など大ヒット作品に、福本は「斬られ役」として出演を続けました。
2003年公開のハリウッド映画『ラストサムライ』にも起用され、14年には映画『太秦ライムライト』で初主演を果たしました。
ちなみに『太秦ライムライト』の主役オファーを受けた際、当初、福本さんは断ったそうです。
福本清三さんは「斬られ役」として55年もの長い間、活躍を続けていましたが、2021年1月1日肺がんのため、この世を去られました。
ご冥福をお祈りいたします。
まとめ
『太秦ライムライト』は時代が移り変わる中で、それでも斬られ役を続ける男の生き様を描いた見事な作品です。
福本さん自身が人生に込めた想いそのものが映画の中にも滲み出ているようで、非常によい映画でした。
太秦ライムライト/2014
✅太秦が舞台。主演は「5万回斬られた男」の異名をもつ斬られ役俳優・福本清三
✅時代劇が、時代の流れと共に消えていく哀愁何より名斬られ役の福本清三の演技が素晴らしく、女優の動きも超一流
見応えがあり、やはり残すべき文化が間違いなく日本にはある、と感じられる映画— とけい (@nonbiritokei) March 15, 2021
とくに『太秦ライムライト』の幕切れは美しく、華があります。