映画『すばらしき世界』は元殺人犯が主役。
モデルになった人物は実在しており、田村義明です。
彼はどのような生き様を歩んだのでしょうか。
映画『すばらしき世界』のストーリーに照らし合わせながら見ていきましょう。
- 『すばらしき世界』のモデルは田村義明
映画を年間200本くらい楽しむとけいが書いています。
それでは映画『すばらしき世界』のあらすじから見ていきましょう。
『すばらしき世界』のあらすじ
13年の刑期を終えた三上は、今度こそカタギとして生きよう。
そんな決意を胸に、上京していました。
一方で小説家を目指す元テレビディレクターには依頼がありました。
「前科者の密着ドキュメンタリー番組の製作をしてほしい」
こうして身分帳の写しに目を通したディレクターは、下町のアパートで新生活をスタートさせた前科者・三上の取材を開始します。
作品名 | すばらしき世界 |
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公開日 | 2021/2/11 |
上映時間 | 126分 |
原作はノンフィクション小説「身分帳」
映画『すばらしき世界』の原案はノンフィクション小説「身分帳」です。
直木賞作家・佐木隆三のノンフィクション小説「身分帳」では、人生の大半を獄中で暮らした実在の男性がモデルとなっています。
名前こそ違いますが、映画『すばらしき世界』の三上のモデルとなった男です。
必死に出所後の『すばらしき世界』を生きる男の姿が、小説でも淡々と描かれています。
身分帳とは
身分帳とは、刑務所に収容された受刑者のための書類のことです。
- 入所態度
- 経歴
- 行動
- 家族関係
上記の項目などが細かく記載された書類が身分帳であり、正式名称は「被収容者身分帳簿」といいます。
身分帳には50項目以上の犯罪の詳細などが記載されています。
映画『すばらしき世界』を観た感想
89/100点
映画『すばらしき世界』ではマイノリティの生き様を貫いていた三上の苦悩が描かれています。
三上は犯罪を何度かしており、ヤクザでもありました。素晴らしい人格者とはいえません。
ただし、それでも更生がしづらい日本の社会構造が本作では浮き彫りになっています。
三上は出所後に、まっとうに生きようと試みています。ただ、その道は非常に険しいものとなりました。
とにかく役所広司の演技がすばらしいです。
『すばらしき世界』のキャスト
役所広司(三上正夫)
仲野太賀(津乃田龍太郎)
橋爪功(庄司勉)
梶芽衣子(庄司敦子)
六角精児(松本良介)
北村有起哉(井口久俊)
長澤まさみ(吉沢遥)
安田成美(西尾久美子)
『すばらしき世界』のモデルは田村義明
『すばらしき世界』は小説「身分帳」が原案です。
舞台は1980年代だった小説。映画では大幅に現代へとアップデートされています。
しかし、人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした男の再出発がテーマである点に変わりはありません。
また『すばらしき世界』のモデルは実在しており、田村義明です。
田村義明は身分帳を送付していた
小説「身分帳」の作者に自らの生い立ちを小説にしてほしいと、田村義明は身分帳を送付していました。
1986年のことです。
田村義明のキャリアは映画『すばらしき世界』でもおおよそ忠実に再現されています。
ですが時代のアップデートに伴い、細かな部分では多くの変更が加えられています。
出所の年齢は44歳
小説、映画ともに出所の年齢は44歳と共通しています。
- 映画タイトルが「身分帳」ではなくなった理由
- メインキャスト役所広司の素晴らしさなど
監督の西川美和が、上記のトピックを動画で語っています。
まとめ
映画『すばらしき世界』にモデル田村義明がいました。
田村義明は少年の頃から非行歴があり、33歳で殺人事件を起こしています。
刑務所に入所した後、44歳で出所。
ですが出所後の『すばらしき世界』には日常生活でのトラブルが多く、苦しみます。
社会のレールから外れていなくとも、共感できる点が多い映画『すばらしき世界』。
マイノリティな社会から普通の世界に馴染むため、もがき苦しむ中年男の生き様がありありと描かれた佳作です。
(※本ページの情報は2024年4月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXT公式サイトでご確認ください。)
参考URL:https://www.joqr.co.jp/qr/article/29686/
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